2004年6月30日:漢方専門医

 6月30日、5回目の入院も11日目になりました。梅雨の真っ直中で、前回26日は空梅雨? なんて書いたけど、今朝は朝早くから雷雨で、静岡のほうじゃ記録的豪雨になって新幹線も停まってしまったりで大変だったみたいですね。

 さて、今日は入院先のC病院から歩いて5分ほどのところにあるH医院に行って来ました。ここは漢方専門医のお医者さんでして、インターネットで色々調べたところ、かなり定評のあるお医者さんであることがわかっていました。

 前回、実家で具合が悪くなってN病院に3週間入院していましたが、退院するときに主治医のS先生から、「田中さんのように器質的な所見が見つからない患者さんの場合、西洋医の処方する薬剤では効果が出ないかもしれない。自分も今、漢方の勉強をしているが、まだまだ知識が足りないのと、この病院で処方できる漢方薬にも限りがあるので、もし希望するなら川越にある専門医を紹介しますよ」と言われていました。しかし、川越となると、自宅からにしても、実家からにしてもちょっと遠いので、通うとなると厳しいなあと思っていました。そのことをS先生に話したところ、「漢方の考え方は西洋医とは違って、病気ごとに薬を処方するのではなく、患者さん個々の体の状態に併せて、オーダーメードの薬を微妙に調合するんだよね。その個々の状態を漢方では「証(しょう)」と言うんだけれど、証をきちんと見立ててくれる専門医のお医者さんならば神奈川でも専門医があると思うので、インターネットで色々検索してみて、行ってみては?」と言う話になっていました。
 現在入院中のC病院主治医、K外科医長にもこのことを話していたのですが、僕がネットでH先生の情報を見つけて話をしたところ、「H先生ならお会いしたことありますよ。同じ市内ですから医師会で何度かお会いしてます。電話してみますね」と、仰ってくれたのが今回の入院2日目でした。なんとその日の夕方「連絡取れました。6月30日の午後4:30で予約も取っておきました。紹介状と、いくつかX線・CTなどのフィルムも一緒に同封しますので、行ってきて下さい。」と、言うことに。

 N医大のT先生にもこのことは先週土曜日の受診時にお話ししてあり、「薬については田中さんの病態ならば漢方が合うかもしれませんので、そちらで処方された薬を飲むようにして下さい。」、と言うことで、例の過敏性腸症候群の薬は打ち切りになっていました。

 H先生の漢方外来は、1患者に最低30分の枠を取ってくれて、完全な予約制です。予約していた午後4:30より少し早めに着いて、初診手続き。時間通り診察室に呼ばれました。
 「それでは田中さんのご病気について、経過をお話しして頂けますか?」と、落ち着いた声で問診がはじまりました。自覚症状が出た2年前の香港空港でのエピソードから、T先生のところで受けた内視鏡検査、CT、そして去年9月の救急入院、手術、そして術後の経過、繰り返した入退院とその時々の体調や飲んでいた薬などなど。
 「非常によくわかりました。ご自身のお体のことながら、理路整然とお話し頂きましたので、今後の治療に役立つことと思います。」と。

 そして今度は触診・聴診となりました。まずは脈です。両腕の脈をじっくり診て頂きます。継ぎに腹部・胸部を念入りに触診・聴診して頂き、最後に舌の状態を見て頂きました。

 その結果は「五臓六腑で言う肝と脾のバランスが悪く、気の乱れがかなりはっきり出ていますね。小腸については、K先生ご指摘のとおり、動きが悪いのが診てとれます。薬を処方しますが、今日お出しする薬は、まず脾(この場合は胃腸を指す)の力を回復、パワーアップする薬と、それを補うための薬をお出ししておきます。本来なら生薬を煎じて飲んで頂くのがよいのですが、入院中ということもあるかと思いますので、今回はエキス粉末製剤を調合したものをお出しします。退院されてご自宅で煎じ薬が飲めるようになったときには、生薬煎じ薬に切り替えます。」ということになりました。

 処方された薬は、四逆散・香蘇散という2種類の薬を6g:3gの割合で混合されたもので、これが1日分として3回に分けて飲めるよう、分包されています。

 漢方薬はお湯にといて、飲むのは食間ですね。この日は病院に戻ってすぐ夕食でしたので、夕食後2時間にまず1包服用しました。2種類の薬と言っても、実際には8種類の生薬が組み合わさった処方になっています。香附子・紫蘇葉・陳皮・生姜・甘草・柴胡・枳実・芍薬、こんなのが含まれています。

 さて、効果がでてくるものと期待して、じっくりやってみたいと思います。

つづきはまた。

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