○ パイプの煙と湯煙と:
2003年12月18日:
湯治って憧れ? いいえ、切実なんです。


 今日も朝から良い天気でした。少し日記は押せ押せになっています(汗)。まあ、2日まとめ程度で勘弁して下さい。

天気予報では寒さが増してきたと伝えられておりますが、ここ、増富温泉、昼間はこの季節、陽が差せば結構暖かです。朝の掃除も、石油ストーブは点けているものの、こうして窓を開けてやっています。周りの山蔭のおかげか、初冬のこの季節でも冷たい風が来ないのがとても良いですね。

窓を開け放って部屋の掃除中です

さて、今日も朝風呂です。昨日よりちょっと早めに6時半頃に温泉に行きました。ウィークデーの毎朝、車で片道50分の道のりを毎朝通って来られる方とお話しをしました。8年前、医師も見放す大病(悪性リンパ腫の後腹膜播種)で余命いくばくもなし、と宣言を受け、腹部リンパ管切除の大手術に臨まれたのだそうです。術後の症状はボクの腸閉塞のさらに重いような状態で、腹痛に苦しんでいたのが、ここに通うようになってかなり早いペースで効果が出たのだそうです。

「湯治」と言う言葉の響き、皆さんはどうお感じになりますか? 実は今回、ここに来ることを話したところ、「いいなあ、うらやましい。憧れるなぁ」という事を随分言われました。確かにそういう部分も多々あると思います。けれど湯治の神髄は本当にそういうものなのでしょうか? 先日のテレビ東京の「ニッポン湯治物語」で湯治をなさっている方の姿をごらんになって、贅沢な観光旅行に見えました? ボクはそうではないと思います。湯治をしている当事者は皆、本当に「切実」なのです。羨ましい、あこがれると思われる方に問いたいのは、「じゃあ、湯治のきっかけになる大病や大怪我、その前後の苦しみも、経験してみる?」と。

やはり長逗留、もしくは毎日・毎週末、何年も通っておられる方にとっては、本当に切実な行動なのだと、今回ボクも身をもって感じました。外科手術や大怪我の後、傷が癒えるには「日にち薬」とよく言われます。その通りだと思います。湯治は、「気持ちのよりどころ」の部分も確かに大きいと思います。でも、ボクが今回一番大切に思ったのは、「自分自身の力で回復のプロセスしっかりと実感する」ことです。この効果は絶大です。精神面だけではありません。独りでやっていますから、ここで油断して大食いでもしたら、また後戻りをするかもしれない。でも、回復の実感に併せて、例えば食べる量を少しずつ増やしてみる。この量を食べるにはどのように注意するか? 良く噛んで食べる。食後の運動はどのようにしたらよいか? そう言う意味でも、今回のボクの場合、自炊を選んだのは正解でした。

温泉でご一緒する方から、いろいろなエピソードを伺います。特にリピーターの方はご自身だけでなく、様々な病気や怪我の回復経過をここで聞かれているようで、その一つが今日、昼前の入浴でご一緒になったご婦人から伺ったお話。

とある女性声楽家の方が3年間声帯を患われて声が出なくなり、ここに通いつづけていたある日、ふと浴槽に浸りながらオペラの曲を口ずさんだのだそうです。ご本人は夢見心地だったのか、無意識の歌声だったようで、他のお客さんから「きれいな歌声ですね」と言われ、はっと我に返り、「今、私、歌っていましたか?」と、その時始めて気づいたのだそうです。そして「もう一度聴きたい、アンコール!」とリクエストされ、嬉しさのあまり感極まって上がり湯の浴槽の中に立ってオペラ独唱され、喝采を浴びたのだそうです。

その場に居合わせた方から、実体験を聞く。そして自分も回復の手応えを感じて明日に向かう、湯治とはそういうものなんだなあと、何となくですが分かってきたような気がします。実際ここに来るまで、正直なところある意味宗教的な「藁をもすがる思い」があったのは事実ですが、武田信玄太古の時代より、隠し湯として大切にされてきた場所ですから、現代の西洋医学では説明のつかない部分も多分にあるんだなあと、本当に実感出来ています。

直接ストーブで焼くと焦げるので
テフロンのフライパンを載せて

やってみたらGoodでした!

18日の朝食。昨日の残りの豚肉炒め
ホウレン草のレンジソティ、バナナ・チーズ

そしてすっかりお気に入りのカプチーノ

 さて、今日も朝御飯です。自炊も日々学習(爆)。朝の難問はトーストです。ストーブの天盤でパンを焼くのは大変。ちょっと見過ごすと真っ黒ですからね。しかも中にはあまり火が通らず、うーん、イマイチ。で、今日はフライパンを使って見たところ、バッチグーでした!

 昨日の夕食の残り、豚肉とキャベツ・タマネギの炒め物も味が浸みて美味かった。カプチーノの作り方も、コップ半分に熱湯を入れてよくかき混ぜて、ダマが解けたあとに冷たい牛乳を足し、それからラップを掛けて電子レンジで2分。沸騰直前に止めると、これまたバッチグーです(笑)

今日のお昼。豚肉炒め・大根煮付

納豆・浅漬け・味噌汁

お昼ご飯は残り物がかなりキープされましたので、ほとんどレンジでチンですけど、こうやって見ると品数的には豪華でしょ(笑)。それぞれの量はまだまだ少ないですが、これだけ食べられるようになればかなりの回復だと思いませんか? 良く噛んで、40分ぐらいかけて頂いています。ご飯の量を少なくするのがポイントのようです。

右上の写真は、昨日完成した自作パイプ第2号です。駐車場から旅館までの道は、きれいな楢の木の林で、足下にはドングリや枯葉が沢山堆積していました。それを拾って来て部屋に入る西日でライトアップして撮影してみました。今回は自分でも手応えのある力作。今日からブレークインを開始します。このパイプを作った原木も、残念ながら煙道の先端が火皿の底部ではなく、やや側面に来ていました。ペーパーフィルターを利用して、煙道先端をフィルターで補ってやって1/3の葉量でブレークインを開始しました。西日の射す窓を開け放ち、沢筋に流れる風にパイプの煙がたなびいて行く様を見つつ、自作第3号の製作を開始しました。 自作パイプ第3号の原木は、これまでのベントタイプと違ってビリヤード、もしくはアップル系に向いた煙道がストレートのものです。今度はボウル底部形状をチューリップのようなデザインにして、糸鋸は使わず、最初の型出しをすべて鋸ヤスリでやってみることにしました。



オーソドックスなフルベントです。

曲線美もなかなか!

黒色・茶色の木目コントラストも良い

仕上がりになりました!


早々に第3号製作着手です。

今回は鋸ヤスリのみ使用

原木形状が素直なので、約2時間で

このぐらいに仕上げられました。

仕上がり形状を意識しながら削っいてます。

里芋、ニンジン、シメジ、鶏肉の煮物・
鶏肉とシメジの照り焼き・浅漬けはこれで
最後です。あとは味噌汁にご飯。

午後はもう1名、年配の自炊客の方が来られましたので自炊場が狭いのでバッティングを避けて、昼食後の洗い物が済んだ後、そのまま先に夕食のオカズ2品を作りました。冷凍の里芋も使ってしまわないと勿体ないので、一品は一昨日の親子丼の時に使った鶏のもも肉の残り二切れを使っての煮物、もう一品の鶏の照り焼きはシメジを混ぜて少しこってり目に仕上げました。

照り焼きは簡単ですからね(笑)。何たってサラダ油で焼いて、その後油切りをして、醤油と酒を半量ずつ混ぜたタレで少し煮込み、先に肉だけ分けておいてタレでシメジを煮詰めるだけ。あとはそれをソースとして先に取りだした肉に掛けてやるだけですから。これが結構美味しいのね(笑) 2品で30分弱、簡単なもんです。

大きいパックに入っていた大根とキャベツの浅漬けは今日でおしまい。考えてみたら、もう明日の泊まりで1週間の湯治もおしまいかぁ・・・ キャベツの残りとシャケがあるから、明日はミソチャンチャンでもしようかな?

今日も夕食前に3度目のお風呂に入り、食後はこの日記の打ち込み。ここ数日、ちょっと夜更かし気味ですね。おやすみなさい。

つづきはまた。

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