Car Maintenance
1st Sep. 2005
2005年9月3日:ブレーキフルードの交換

これまで、ブレーキフルードの交換は2年に1度のディーラー車検の際に同時にやってもらっていましたけど、工賃は高いですよね。一方、かつては重要保安部品の位置づけで、資格をもった整備士が交換作業を行うか、あるいは自分で作業をした場合には、車検場で検査を受ける必要がありましたが、現在は規制緩和で、自分で交換することが可能です。


油圧機器ですから、交換作業の際に気泡が入ったり、ブリーダプラグの締め付けがいい加減で、作業後に油が漏れたりしたら大変。ブレーキが利かなくなるばかりか、下手をすると漏れたフルードがブレーキディスクやドラムに付着して、摩擦熱で発火、なんてことも考えられます。

また、交換が上手く行ったとしても、油圧の経路であるホースやパイプの劣化等がないかも、あわせて点検したほうが良いと思います。

したがって、作業についてはすべて自己責任で行ってください。作業内容に不安がある場合にはしかるべき整備工場やディーラーで交換してもらってください。

自分で交換するには、ブリーダプラグから抜けてくる古いフルードを受けて、なおかつ、ブレーキペダルを踏んで戻したときに、せっかく抜けたフルードが逆流したり、あるいは、古いフルードに含まれた気泡などが再び油圧系統に戻ることを防止する必要があります。そのために、抜けたフルードを受け、逆流防止のためのチェックバルブ(逆止弁あるいは逆流防止弁とも呼ぶ)を装備したキットも販売されています。しかし、このキットが2800円ほどするので、ちょっと勿体無いですね。その分、純正より多少耐熱グレードの高いブレーキフルードを使ったほうがいいので、今回の交換用キットは、ネットで情報検索して自作しました。

廃フールドを受けるのはペットボトルです。そして、チェックバルブは、アクアリウム(海水魚とか熱帯魚の水槽)用のエアポンプの逆流防止弁を流用しました。

ぺットボトル頂部につけた金属製のニップルもドイトで購入。このニップルは、園芸用のマカロニチューブを接続するための金属製のニップルです。

5個入り198円、止めのナットM6が8円、座金が5円です。


※ニップルをつけたあと、これとは別に小さなエア抜き穴をもう一箇所空けておかないと、作業性が落ちます。φ0.6のステンレスワイヤをガスコンロで焼い て、小さなエア抜き穴をキャップの上面、ニップルの脇に開けました。


逆止弁接続はこんな感じです。このあと、やはり抜け防止のため、接続部に側線バンドで固定処置をしました。
なお、使用している樹脂製のホースは、ドイトに販売されている内径φ4・外径φ6のガソリンチューブ(耐油ホース)を使用しました。
   
※この逆止弁は1回使用するとブレーキフルードの成分によって樹脂が侵されるため、使い捨てと考えてください。

エンジンルーム内。リザーブタンク周辺をウェスで囲んで、周辺塗装部への付着を防止。




まずは交換準備として、リザーバタンクから一番遠い、左後輪をジャッキアップします。そして、ホイールを外します。

ブリーダプラグには、あらかじめAF10(ナット対辺10mm)のメガネレンチを通しておき、それから廃油回収用のチューブ(途中にアクアリウム用逆止弁を接続したもの)、そしてペットボトルの順に繋いでおきます。

そして、エンジンルーム内のリザーブタンクの古いフルードを一旦抜き取り、新しいフルードを十分に注入しておきます。

続いて、上記の廃油回収キットを繋いだブリーダプラグを、ナット1角から1角半(60〜90度)緩めます。

そして、運転席にすわり、ゆっくりとブレーキペダルを床面いっぱいまでまず1回踏み込みます。

踏み込んだらいったん車を降りて、きちんと古いフルードが回収用のペットボトルに出てきているかを確認します。

きちんと古いフルードが出てきていることが確認できたら、再び運転席に座り、今度は3回ほど、ゆっくりブレーキペダルを踏み込んでは戻し、を繰り返しします。

続いてエンジンルームのリザーブタンクを確認して、フルードの量が減っているので、満量になるまで補充します。

再び運転席に座り、ゆっくり3回ほど上記のようにブレーキペダルを踏み込みます。再びリザーブタンクを確認して、減った分を補充します。

下の写真は リアドラム部の作業風景です。やっぱ不健康そうなオ○ッコのように、濃い褐色の劣化したフルードが出てきました。
作業順序はリザーブタンクから遠いリア左・リア右・フロント左・フロント右の順番で行いました。最初に交換作業をする左後輪は、油圧経路が最も長く、ついでにリザーブタンクで抜ききれなかった古いフルードを最初に抜いてしまうこともかねて、合計8回程度の踏み込み作業をします。



続いて今度は右後輪を同様に作業しますが、最初の左後輪の作業である程度古いフルードは抜けていますので、右後輪については5〜6回程度、左前輪で4〜5回程度、右前輪は3〜4回程度の踏み込み作業とします。

下の写真は、フロント左側の写真です。ブリーダプラグのサイズはAF10で、メガネレンチを通しています。抜け防止に束線バンドでプラグにチューブをしっかり固定しています。 これと逆止弁によって、気泡を含んだ古いフルードが油圧系統に逆流したり、接続部から気泡が入り込むのを防止しています。作業後は束線バンドは作業完了後は使い捨てです。


各車輪のブリーダプラグとも、作業後はしっかりと止めます。本来は規定トルクが指定されていますが、トルクレンチがない場合には、ゆるめた角度分プラスアルファを締めて、その後、漏れがないことを確認します。

また、回収用のホースを外す際には、周囲にフルードが付着しないように注意し、万一付着したときには、脱脂性のあるスプレー剤(CRCのレクトラクリーン等)を吹き付けて、しっかりとウェスでふき取っておきます。

全体の作業時間は1時間弱で完了です。

※なお、交換作業によって出た廃フールドは、カー用品店やガスリンスタンド等、しかるべき処理を受け付けてくれるところに引き取ってもらうようにしましょう。